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『未発達』

Category: 極短編  

 ミドリ色の硝子のなかから、光のあわを見ていた。
 ここは暖かで、緩やかな波音とゆれが、おしりの下から伝わってくる。

 ひらひらと脚にまとわりつく、赤のドレスを纏った女の人が、私に言った。
「そこから出てくる覚悟はあるの?」

 はい、と言うと女の人は笑った。
 綺麗にそろった鍵盤のような、白い歯。
「いらっしゃい」
 ひらり、と手のひらをひるがえして誘う。

 だけどおしりは貼りついたままで、剥がれない。
 ポロポロという笑い声を残して、女の人は去っていく。

 硝子の端っこに赤いドレスの尻尾がはためいて、ひとつぶの光のあわになる。

 手を伸ばすとそれはわたしの人差しゆびの先に止まって、短い爪を淡く紅色に染めた。

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 2011_01_10




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marika*

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